業務委託(フリーランス)の手取り計算ツール
業務委託で報酬を受け取っている個人事業主が、報酬と経費などを入れると、2026年分(令和8年分)の年間の手取りの目安が出ます。 源泉徴収された額のほか、所得税・住民税・国民健康保険・国民年金・消費税を差し引いて計算します。
内容はに確認しました(国税庁・総務省・特別区などの資料)。
結果は概算です。実際の申告は、税理士か税務署に確認してください。入力した金額はブラウザの中だけで計算し、サーバーには送りません。
計算のしかた
2026年分(令和8年分)の所得税を、次の順に計算します。他の所得はない前提です。
- 源泉徴収税額は1回ごとに出します。対象額が100万円以下なら 対象額 × 10.21%、100万円を超えるなら(対象額 − 100万円)× 20.42% + 102,100円で、1円未満は切り捨てます。 請求書で報酬額と消費税額を区分していれば対象は税抜の報酬額、区分していなければ税込の金額です(No.2795)。
- 事業収入は、消費税を上乗せしない場合は受取額、免税事業者が消費税を受け取る場合は税込の受取額、課税事業者は税抜の額です。
- 事業所得は、事業収入 − 必要経費 − 青色申告特別控除(65万円・55万円・10万円)で求めます。控除は(収入 − 経費)が上限です(No.2072)。
- 国民年金は、月額 × 12か月です(20〜59歳のみ。令和8年度は月額17,920円)。 付加年金に加入する場合は、付加保険料を月400円 × 12か月で足します。付加年金額は 200円 × 納めた月数(年額)です(日本年金機構)。 国民年金基金の加入者や免除を受けている人は納められません。付加保険料は社会保険料控除に入れていません(未確認)。
- 国民健康保険料は、まず算定基礎額 = 総所得金額 − 43万円を出します。医療分・後期高齢者支援金分・介護分(40〜64歳)・子ども・子育て支援金分のそれぞれを、 「算定基礎額 × 所得割率(1円未満切捨て)+ 軽減後の均等割 × 人数」とし、区分ごとの限度額を上限にして合計します。既定は特別区の令和8年度の率で、編集できます。 未就学児の均等割は、法定軽減後の額をさらに5割軽減します(厚生労働省、大田区)。 軽減後の均等割は1円未満を切り捨てます。医療分と後期高齢者支援金分に適用し、子ども・子育て支援金分には適用しません(いずれも未確認の項目があります。下の「未確認の項目」を見てください)。
- 国保の均等割は、所得が低いと7割・5割・2割軽減されます。判定所得(本人の事業所得 + 世帯の他の人の所得。43万円は引きません)が次の基準以下なら軽減します。 被保険者数をN、給与所得者等の数をMとして、給与所得者等が2人以上のときだけ「(M − 1) × 10万円」を加えます。
- 7割軽減は、430,000円 + 100,000円 × (M − 1) 以下のとき
- 5割軽減は、430,000円 + 310,000円 × N + 100,000円 × (M − 1) 以下のとき
- 2割軽減は、430,000円 + 570,000円 × N + 100,000円 × (M − 1) 以下のとき
- 所得控除は、基礎控除(令和8年分は合計所得に応じて104万円・67万円・62万円など)、配偶者控除または配偶者特別控除、扶養控除、社会保険料控除(国保 + 国民年金)です。 配偶者の合計所得が62万円以下なら配偶者控除、62万円超133万円以下なら配偶者特別控除で、いずれも本人の合計所得が1,000万円以下のときだけ受けられます(No.1191、No.1195)。
- 所得税は、課税所得(千円未満切捨て)に速算表の税率をかけ、控除額を引いて求めます(No.2260)。復興特別所得税は所得税 × 2.1%(1円未満切捨て)です。
- 確定申告での差額は、所得税等の合計 − 年間の源泉徴収税額です。プラスなら納付(100円未満切捨て)、マイナスなら還付です。
- 住民税は翌年度分の見積りです。この所得が翌年度の住民税・国保の算定に使われるものとして、令和8年度の率・控除額で計算します。 課税標準は千円未満切捨て、所得割は市区町村民税6%・道府県民税4%から調整控除を引いてそれぞれ100円未満切捨て、均等割は4,000円、森林環境税は1,000円です。 政令指定都市の所得割は8%・2%ですが、このツールでは6%・4%で計算します。
- 個人事業税は翌年に課税されます。(事業所得 + 青色申告特別控除 − 事業主控除290万円)× 税率で、個人事業税には青色申告特別控除が適用されないため、引いた分を足し戻します。 課税標準は千円未満切捨て、年税額は百円未満切捨てです。税率は第1種・第3種の多くの業種が5%、第2種が4%、あんま・マッサージ等と装蹄師業が3%です。納期は原則8月・11月の2回です (東京都主税局、兵庫県)。
- 消費税の納付額は課税事業者だけが対象です。2割特例を選ぶと、消費税の特例比較ツールと同じ計算(2026年分)で、税込の年間受取額から納付税額を求めます。
- 手取り(年額)は、年間の受取額(税込)− 経費 − 所得税等 − 住民税 − 個人事業税 − 国保 − 国民年金 − 付加保険料 − 消費税の納付額です。月平均は手取り ÷ 12(参考)です。
令和8年度税制改正との関係
令和8年度税制改正で基礎控除が引き上げられ、令和8年12月1日に施行されます。令和8年分の所得から適用されるため、このツールは引き上げ後の額で計算します。 11月までの源泉徴収は変わりません(国税庁、源泉所得税の改正のあらまし)。 令和9年分以後は防衛特別所得税が創設されますが、2026年分は対象外です(No.2260)。
手計算の例
1回の報酬が税抜300,000円で、消費税10%を上乗せして受け取る免税事業者の例です(請求書で報酬額と消費税額を区分しています)。年12回、必要経費は年600,000円、青色申告65万円控除、30歳・単身、国保は東京都特別区の令和8年度の率、国民年金は月17,920円とします。 下の表は、このツールの計算ロジックで求めた値です。
| 項目 | 計算 | 金額 |
|---|---|---|
| 1回の源泉徴収税額 | 300,000 × 10.21% | 30,630円 |
| 年間の源泉徴収税額 | 30,630 × 12回 | 367,560円 |
| 1回の振込額 | 330,000 − 30,630 | 299,370円 |
| 年間の受取額(税込) | 330,000 × 12回 | 3,960,000円 |
| 事業所得 | 3,960,000 − 600,000 − 650,000 | 2,710,000円 |
| 国保の軽減 | 判定所得 2,710,000 が 2割軽減の基準 1,000,000 を超える | 軽減なし |
| 国保の算定基礎額 | 2,710,000 − 430,000 | 2,280,000円 |
| 国保 医療分 | 2,280,000 × 7.51% + 47,600 | 218,828円 |
| 国保 後期高齢者支援金分 | 2,280,000 × 2.80% + 17,600 | 81,440円 |
| 国保 子ども・子育て支援金分 | 2,280,000 × 0.27% + 1,873 | 8,029円 |
| 国保の合計 | 3区分の合計(30歳なので介護分なし) | 308,297円 |
| 国民年金 | 17,920 × 12 | 215,040円 |
| 社会保険料控除 | 308,297 + 215,040 | 523,337円 |
| 課税所得 | 2,710,000 − 基礎控除 1,040,000 − 523,337(千円未満切捨て) | 1,146,000円 |
| 所得税 | 1,146,000 × 5% | 57,300円 |
| 復興特別所得税 | 57,300 × 2.1% | 1,203円 |
| 確定申告での差額 | 58,503 − 367,560 | 還付 309,057円 |
| 住民税の課税標準 | 2,710,000 − 430,000 − 523,337(千円未満切捨て) | 1,756,000円 |
| 市区町村民税の所得割 | 105,360 − 調整控除 1,500(百円未満切捨て) | 103,800円 |
| 道府県民税の所得割 | 70,240 − 調整控除 1,000(百円未満切捨て) | 69,200円 |
| 住民税の合計 | 173,000 + 均等割 4,000 + 森林環境税 1,000 | 178,000円 |
| 個人事業税の課税標準 | 2,710,000 + 650,000 − 2,900,000(千円未満切捨て) | 460,000円 |
| 個人事業税 | 460,000 × 5%(百円未満切捨て) | 23,000円 |
| 手取り(年額) | 3,960,000 − 600,000 − 58,503 − 178,000 − 23,000 − 308,297 − 215,040 | 2,577,160円 |
この例では、受け取る税込報酬の年間合計3,960,000円のうち、手元に残るのは2,577,160円(月平均214,763円)です。 源泉徴収された額が所得税等より多いため、確定申告で309,057円が還付されます。
国保の軽減の例として、事業所得が600,000円で45歳・被保険者1人の場合を考えます。判定所得600,000円は5割軽減の基準740,000円以下なので、5割軽減です。 算定基礎額170,000円に対し、医療分は 170,000 × 7.51%(12,767円)+ 均等割 47,600円の5割 23,800円 = 36,567円、 後期高齢者支援金分は 13,560円、介護分は 13,031円、子ども・子育て支援金分は 1,395円で、国保の合計は64,553円です。
参考として、源泉徴収の対象額が150万円なら 102,100円 + 500,000円 × 20.42% = 204,200円、100万円なら 102,100円です。 消費税額を区分していない税込330,000円の支払いでは、330,000円 × 10.21% = 33,693円が源泉徴収されます。
結果を使う前の注意
- 入力した条件だけで計算した概算です。実際の税額は、確定申告の内容や自治体の通知で決まります。
- 住民税と国保は、2026年の所得が翌年度に使われると仮定して、令和8年度の率・控除額で見積もっています。翌年度の率が変わると結果も変わります。
- 住民税の非課税の基準は特別区のものです。級地が違う自治体では基準が異なります。
- 国保は東京都特別区の令和8年度の基準保険料率が既定です。中野区・江戸川区など、区によって率が異なります。端数の処理も自治体により異なります。
- 国保の軽減の判定には、本人の事業所得に、入力した「世帯の他の人の前年所得の合計」を加えます。子ども・子育て支援金分の均等割は、全員が18歳以上として1人あたり1,873円で計算します。
- 国保の軽減は令和8年度の基準で、翌年度(令和9年度)分を見積もっています(令和9年度の基準は未公表)。18歳未満の子ども・子育て支援金分均等割の軽減、非自発的失業者の軽減、申請による減免は対象外です。所得の申告をしていない場合は軽減されません。
- 個人事業税は、通年営業で事業主控除が年290万円の前提です。事業専従者、損失の繰越控除、年の途中の開業・廃業による事業主控除の月割、他の都道府県の事務所によるあん分、個人事業税を翌年の必要経費に入れる効果は対象外です。法定業種に当たるかは都道府県が判断するため、迷うときは都道府県税事務所に確認してください。
- 配偶者控除・配偶者特別控除は所得税の令和8年分の額です。住民税では配偶者の所得が62万円以下の場合だけ配偶者控除を扱い、配偶者特別控除は未確認のため0円としています。
- 特定親族特別控除、医療費控除、小規模企業共済などの所得控除は計算に入れていません。
- 入力した内容は、ブラウザの中だけで計算します。サーバーには送らず、Cookie や localStorage も使いません。
未確認の項目
次の項目は、公式ページで内容を確認できなかったため、控えめな仮定で計算しています(確認日 2026/11/03)。
- 住民税の配偶者特別控除の額(令和9年度分。総務省・自治体の公式資料で確認できなかったため、住民税では配偶者特別控除を0円としています)
- 未就学児の均等割5割軽減が及ぶ保険料の区分(厚生労働省のページに区分の記載がなく、医療分と後期高齢者支援金分に適用しています)
- 子ども・子育て支援金分の均等割の軽減(厚生労働省のページで確認できなかったため軽減していません)
- 未就学児の年齢の区切りと、軽減後の均等割の端数処理(1円未満切捨てと仮定)
- 付加保険料の社会保険料控除への算入(国税庁 No.1130 に付加保険料の記載がなく、手取りからは引くが控除には入れていません)
よくある質問
- 業務委託の報酬から、なぜ源泉徴収されるのですか?
- 原稿料や講演料、デザイン料など、所得税法で定められた報酬を支払う側には、支払うときに所得税と復興特別所得税を差し引いて国に納める義務があります。報酬の種類によっては源泉徴収の対象にならないものもあるため、支払元に確認してください。
- 源泉徴収税額はいくらになりますか?
- 1回の支払の対象額が100万円以下なら 対象額 × 10.21%、100万円を超える場合は(対象額 − 100万円)× 20.42% + 102,100円です。たとえば150万円なら204,200円です。1円未満は切り捨てます。
- 消費税を上乗せしている場合、源泉徴収は税込と税抜のどちらにかかりますか?
- 請求書などで報酬額と消費税額が区分されている場合は、報酬額(税抜)だけが源泉徴収の対象です。区分されていない場合は、消費税額を含めた支払額が対象になります(国税庁 No.2795)。
- 源泉徴収された分は戻ってきますか?
- 確定申告で、1年分の所得税等から源泉徴収された額を差し引きます。源泉徴収された額のほうが多ければ還付され、少なければ差額を納付します。このツールは差額を表示します。
- 住民税や国保料は、いつの所得で決まりますか?
- どちらも前年の所得をもとに決まります。このツールでは2026年の所得が翌年度に使われると仮定し、令和8年度の率・控除額で見積もっています。実際の額は翌年度の通知書で確認してください。
- 国保の料率を、自分の住んでいる自治体のものに変えられますか?
- 変えられます。フォームの「国保の率・均等割・限度額を編集する」で、医療分・後期高齢者支援金分・介護分・子ども・子育て支援金分の率、均等割、限度額を入力してください。既定は東京都特別区の令和8年度の値です。
- 国保の均等割が安くなる軽減(7割・5割・2割)は、どう判定しますか?
- 世帯主と国保加入者全員の前年の所得の合計(43万円の基礎控除は引きません)が基準以下かどうかで判定します。被保険者1人・給与所得者等0人なら、7割軽減は430,000円以下、5割軽減は740,000円以下、2割軽減は1,000,000円以下です。軽減は均等割にかかり、所得割にはかかりません。令和8年度の基準で見積もっています。所得の申告が必要です。
- 個人事業税はいくらかかりますか?すべての人にかかりますか?
- (事業所得 + 青色申告特別控除 − 事業主控除290万円)× 税率(多くは5%)で、翌年の8月・11月に納めます。事業所得が290万円(青色控除前)以下なら0円です。法定の業種に当たらない場合は課税されませんが、当たるかどうかは事業の実態をもとに都道府県が判断し、扱いが異なることがあります。都道府県税事務所に確認してください。
- 入力した金額は保存されますか?
- 保存されません。計算はお使いのブラウザの中で行い、入力内容をサーバーに送信しません。Cookie や localStorage も使っていません。
出典
数値・条件は、次の一次情報で確認しました。改正があれば見直します。
- 国税庁 タックスアンサー No.2795 原稿料や講演料などを支払うとき(確認日 2026/11/03)
- 国税庁 タックスアンサー No.2260 所得税の税率(確認日 2026/11/03)
- 国税庁 タックスアンサー No.1199 基礎控除(確認日 2026/11/03)
- 国税庁 令和8年度税制改正(基礎控除の見直し等)(確認日 2026/11/03)
- 国税庁 源泉所得税の改正のあらまし(令和8年4月)(確認日 2026/11/03)
- 国税庁 タックスアンサー No.1191 配偶者控除(確認日 2026/11/03)
- 国税庁 タックスアンサー No.1195 配偶者特別控除(令和8年分)(確認日 2026/11/03)
- 国税庁 タックスアンサー No.1130 社会保険料控除(確認日 2026/11/03)
- 国税庁 タックスアンサー No.1180 扶養控除(確認日 2026/11/03)
- 国税庁 タックスアンサー No.2072 青色申告特別控除(確認日 2026/11/03)
- 総務省 個人住民税(税率・均等割・森林環境税)(確認日 2026/11/03)
- 中野区 令和8年度 区民税の計算(所得控除額・調整控除)(確認日 2026/11/03)
- 調布市 調整控除(確認日 2026/11/03)
- 江戸川区 税額控除(確認日 2026/11/03)
- 大田区 住民税が課税されない方(非課税基準)(確認日 2026/11/03)
- 杉並区 わたしたちの区税 令和8年度(確認日 2026/11/03)
- 特別区長会 国民健康保険料(令和8年度 基準保険料率)(確認日 2026/11/03)
- 東京都 令和8年度 特別区国民健康保険料一覧表(確認日 2026/11/03)
- 大田区 国民健康保険料の計算方法(確認日 2026/11/03)
- 日本年金機構 国民年金保険料(令和8年度 月額17,920円)(確認日 2026/11/03)
- 厚生労働省 保険局長通知(令和8年1月15日 保発0115第9号)国民健康保険法施行令等の一部を改正する政令の公布について(確認日 2026/11/03)
- 厚生労働省 国民健康保険の保険料・保険税について(確認日 2026/11/03)
- 杉並区 国民健康保険料の均等割額の減額(確認日 2026/11/03)
- 足立区 国民健康保険料の均等割軽減・減免制度(軽減後の均等割の表)(確認日 2026/11/03)
- 日本年金機構 付加保険料の納付(付加年金)(確認日 2026/11/03)
- 大田区 国保料の負担軽減(未就学児の均等割軽減は法定軽減後の額をさらに5割軽減)(確認日 2026/11/03)
- 東京都主税局 個人事業税(確認日 2026/11/03)
- 兵庫県 個人事業の手引き(令和8年版。端数処理は地方税法20条の4の2)(確認日 2026/11/03)
あわせて見るページ
- 消費税の特例比較ツール(課税事業者の消費税を比べる)
- ツール一覧
- 免責事項(計算結果の扱い)